残る2日間は、マーケティングの基礎と実践を学びました。テーマは、マーケティングの概念やターゲット&ポジショニングの重要性、Purchase funnel (AIDMAに近い)、人間の購買に関する心理は非合理的という事実です。さらに5人1組で「ショッパーモーグル」というシミュレーションゲームにも挑戦しました。こちらも奥が深いので特別に日本語で別記事で詳しく紹介します。
マーケティングという概念
マーケティングとは、持続可能な方法で、競合よりも良く顧客に価値を提供する概念です。つまり、顧客中心の考え方そのものがマーケティングです。
次のようなフレーズは、マーケティングの濫用といえます。
- オンラインマーケティングのコツ
- アフィリエイトマーケティングの成功
- 説得のマーケティング
上記のようなツールやコツ、方法自体はマーケティングとは呼べません。ゴールはあくまで顧客価値(カスタマーバリュー)であり、財務的な成功その結果でしか過ぎない、という視点は印象的でした。
ターゲット&ポジショニングの重要性
セグメンテーションを説明する商品として、自動車が最も分かり易い題材。車は高額であるため1人あたりの保有台数が限られ、その中でも適度なブランドや車種があり、選択が明瞭です。その車を欲する顧客にどのような価値を提供できるか。同じ車を買う顧客でも動機はさまざまです。例えば、SUVを買う理由ひとつとっても、かっこいい、子どもをチャイルドシートに乗せやすい、見下ろせて気分がいい(笑)など、人によって動機は様々です。
飲み物にしても、顧客の必要性や心理面が大きく影響しています。コストコでのまとめ買いから昼食での単品購入、パブでの交流まで、ニーズの幅は広い。だからこそ「誰にどんな価値を届けるか」が肝心なのだと感じました。。
Purchase funnel (購買ファネル)
4PやAIDMAなどの購買動機分析について紹介。シミュレーションでは、顧客がファネルのどの段階(awareness, consideration, purchase)に多くいるのか把握し、改善策を考えます。改善の方法を理解する必要がある。例えばAwarenessが不足しているならプロモーションの強化、considerationが不足なら、製品の質やスタイルを見直す、purchaseまで進まないのならパッケージや価格設定がずれている、というように、数字と行動を結びつけて考える大切さを学びました。

人間の購買行動は非合理的
残念ながら顧客の言動と行動は一致しません。例えば「環境に良い商品なら10%以上高くても買う」と回答した人は70%程度なのに、実際に購入するのは17%しかいないというデータも紹介されました。 要因として政治的や感情的な判断が影響を与えている。
人間は損失に対して過剰に反応する傾向があります。質問の結果は同じでも内容に悲観的な要素が協調されていると、悲観的な選択をしてしまいます。 以下は今回参加した学生向けに事前調査したアンケートの結果です。
質問の背景: あなたは600人が住む小さな町で唯一の医者です。致命的な感染症が町に持ち込まれ、どの治療を行うかを決めなければなりません。誰かに相談する時間はなく、直ちに決断を下す必要があります。2つの治療法から選択肢があります。1つは確実な結果が得られる治療、もう1つは不確実な結果の治療です。あなたは2つの治療法のどちらかを選ばなければなりません。
質問1:どちらを選択しますか。 ①200人の命を救える治療法、 ②33.3%の可能性で600人全員の命を救える方法、でも66.6%の可能性で全員救えない。

質問2:どちらを選択しますか。 ①400人の命を救えない治療法、 ②33.3%の可能性で600人全員の命を救える方法、でも66.6%の可能性で全員救えない。

お気づきの通り、両方の質問①②の期待値は同じで、異なる点はどれだけの命を救えるか救えないかという質問の仕方だけです。 しかしながら、「200人を救える」という記述を選択する方が明らかに多く、教授の主張を裏付けています。 MBA受講生ですらこの結果ですから、人間は損失に敏感に反応することが浮き彫りになりました。
まとめ
マーケティングという名目で、これら人間心理の非合理性を突いた手法は多くの企業で実際に利用されています。 果たしてそれが本当に倫理的に正義といえるのか?という問いは残ります。 最終的にそれをどう扱うかはリーダー次第です。 そして講義を通じて、マーケティングの奥深さと責任を学ぶことができました。



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